第4話 「すごいなぁ」って思った。ただ、それだけの話。

この前、嫁から聞いた話で、

うちの長男と幼稚園のときから仲良しのHくんが、ちょっと有名な学校を受験することになったらしい。

Hくんとは、年少のときから気が合って、

家族ぐるみでご飯行ったり、バーベキューしたり、ゲームしたりしてた仲。

お互いの親同士も仲良くて、すごく自然な関係で、気楽につながれてる感じ。

向こうのお父さんは、めちゃくちゃ頭ええ人で、

学生時代もすごい経歴の持ち主なんやけど、

全然気取った感じもなくて、むしろお酒好きでガンガン飲むタイプ。

お母さんも天真爛漫というか、なんでも「だいじょぶだいじょぶ〜」って笑い飛ばすような人で、ほんまにええご家族やなと思ってた。

Hくん自身も、昔から集中力の鬼みたいなところがあって。

ゲームやらせても、止め時がわからんくらいのめり込むし、

工作とかでもグッと入り込む力がすごいなって思ってた。

そんな子が、塾に通い始めて、受験に向けて本格的に動き出したって聞いて、

「いやー、すごいなぁ」って、素直に思った。

お父さんに「そういう学校に行かせたかったん?」って前に聞いたとき、

返ってきたのは「本人が決めたんです」って言葉。

なんか、それがすごく自然で、良かったなって思ってる。

俺は昔から、子どもは子ども。親の夢の延長じゃないって思ってるし、

やらせたいことを押し付ける気もない。

自分の子には、選択肢はちゃんと見せた上で、

「やるなら応援するし、やらへんのならそれもええよ」っていうスタンスでいたい。

Hくんの話を聞いて、

「うちの子も、もし“行ってみたい”って言ったら、それもええな」って思った。

今はまだそこまでの気配はないけど、

塾の体験くらいは、行ってみてもいいかもしれん。

合えばラッキーやし、合わんかったらそれも収穫。

うちの長男は、ずっと鉄道好きや。

図鑑読んでるし、観光列車のこともめっちゃ詳しい。

たまたま知ったけど、そういう有名校の中には鉄道部があるところもあって、

もしそれがきっかけで「この学校行きたい」って言うなら、それも全然アリやと思ってる。

思い返すと、自分の親はそんなに進路のことをあれこれ言うタイプじゃなかった。

中学・高校・大学、全部自分で選んできたような感じやったし、

だからこそ、「選ばせてもらえた」ありがたさは今になって感じてる。

だから俺も、自分の子には「こういう道もあるよ」ってことは伝えておきたいなと思ってる。

選ぶのは本人やけど、選べる幅を広げるのは、親の仕事なんかもなって。

正直、何が正解かなんて、俺にもわからん。

今は昔とちがって、学歴がすべてじゃないし、

有名企業に入ったからって一生幸せってわけでもない。

むしろ、“どう生きるか”の方が問われる時代になってきてる気がする。

10年後、うちの子がどこにいて、何をしてるかは全然見えへん。

でも、今の姿を見てると、毎日楽しそうで、

「これが幸せなんちゃうかな」って思える。

友達と遊んで、

ちょっとだけ勉強して、

プール行って、自転車乗って、ギター弾いて、ピアノ触って、釣りして——

そんな日常を「ええなぁ」って思える今があるなら、

それがもう十分ちゃうんかなって。

誰かがすごい道を歩こうとしてるのを見て、

「すごいなぁ」って素直に感じたこと。

それだけの話かもしれへんけど、

そんな感情をちゃんと残しておきたかった、今日はそんな日でした。

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