第13話 「軽く見られたくない父の本気。次男と向き合った一日。」

この日は、朝から名古屋のリニア博物館に出かける予定だった。

次男が行きたいと言った場所で、前々から家族で楽しみにしていた。

けれど、朝ごはんの時にひとつ出来事があった。

俺がソファの前に座っていたとき、次男が背後から肩に足を乗せてきた。

ふざけていたのか、挑発的な気持ちがあったのかは分からない。でも、その時の目線は、明らかに父親を見下すようなものだった。

俺はすぐに「それはやめて」とはっきり伝えた。

なのに2分後、また同じように足を乗せてきた。

怒った。

それは、行動というよりも、俺の言葉を軽く見ている態度に腹が立った。

過去のブログにも書いたように、次男は「やめてって言ったのにやめてもらえないこと」で悩んでいたはずやのに、自分は人にやってしまう。それに対する違和感、不信感。

「本当にこいつ、俺の話を聞いてるんか?」そんな気持ち。

でも、その場で揉めていたら出発が遅れる。

俺は気持ちを抑えて、リニア博物館へと向かった。

道中、俺の機嫌は戻らなかった。会話も弾まなかった。

けど、博物館に着いてからは、気持ちを切り替えて、できるだけ普通に過ごすようにした。

そして夜。帰宅後、再び次男の態度が引っかかった。

俺の言葉に対して、また揚げ足を取るような言い方をしてきた。

さすがに堪忍袋の緒が切れた。

「そんな態度をとるなら、もうお前の面倒は見ない。話もしない。勝手に生きてくれ。」

本気で怒った。

しばらくして、次男が部屋に来て、何度も謝ってきた。

「変なこと言ってごめんなさい。」

泣きそうになりながらも、涙はこらえていた。

でも、俺にはわかっていた。こいつ、また忘れる。懲りない性格やから。

だから今回は**「本気で怒ったら、どうなるか」**をきっちり見せるつもりでいた。

「お父さんでも、お母さんでも、友達でも、人が嫌やって言ったことを、もう一回やるってのは、ほんまにあかんことや。」

そして、最後にこう言った。

「次また同じことがあったら、お父さんは本当に君を知らんふりするからな。」

それに対して、次男は「嫌だ」と涙声になった。

でもそれでよかった。伝わったと思う。

今朝、次男は自分から「昨日はごめんね」と言ってきた。

その一言で、少し心がほぐれた。

忘れてなかったんやなと。ちゃんと覚えていたんやなと。

だから、今日は許すことにした。

でも俺は、軽く見られるつもりはない。

優しいだけじゃない父親であること、これからもちゃんと示していくつもりだ。

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